「投資に興味はあるけど、損はしたくない・・・」
と悩んでいる方の中には、安全資産への投資を検討している方もいるでしょう。
とはいえ、安全資産についての基礎知識がなければ投資を始めることはできません。
そこで今回は、安全資産とは一体何か、どのような種類・リスクがあるのかということについて詳しく解説していきます。
資産の分類
世間一般でいう「資産」には、以下2つの種類があります。
- 安全資産
- リスク資産
これらの資産には、一体どのような特徴があるのでしょうか。
安全資産
安全資産とは、ボラティリティ(価格変動)が小さく、元本割れのリスクが極めて低い資産のことです。
後ほど詳しく解説しますが、銀行預金や国債などが安全資産に該当します。
安全資産は、短期間での価格変動が小さい、もしくはほとんどないため、投資初心者からも注目されています。
リスク資産
安全資産に該当しないものについては、リスク資産(危険資産)と呼ばれています。
リスク資産は、先ほど紹介した安全資産と真逆の性質を持つため、ボラティリティが非常に高いです。
上手に運用すれば大きな利益を手にできる可能性が高まりますが、場合によっては資産の大半を失ったり、負債を抱えたりする可能性もありますので、とにかく慎重に扱っていかなければなりません。
安全資産の特徴・条件
安全資産に興味を持っている方の中には、
「何を基準に安全資産と判断すればいいの?」
という疑問を抱えている方もいるはずです。
金融資産には「安全性」「流動性」「収益性」という3つの側面があり、これらの項目を1つずつチェックすることによって、該当する商品が「安全資産」か「リスク資産」かを見極められます。
以下、安全資産に共通する特徴・条件について詳しく見ていきましょう。
安全性:元本割れしにくい
金融商品における安全性とは、元本割れのしにくさや、元本保証の有無によって判断されます。
例えば、預貯金の場合は元本割れのリスクがありません。
また、仮に金融機関が破綻しても、預金保険制度があれば一定のラインまで元本が保証されます。
このように、投資家が損をするリスクがほとんどない資産は「安全性が高い」と判断できるのです。
流動性:換金しやすい
安全資産は、流動性が物凄く高いです。
流動性とは、簡単にいえば「換金のしやすさ」のことであり、買いたいときにすぐ買えて、売りたいときにすぐ売れるという特徴があります。
例えば、リスク資産に分類される「不動産」は、売りたいと思っても買い手が見つからなければ手放せません。
一方、安全資産に分類される「預金」は、いつでも自由に引き出せるため、流動性が高いといえるのです。
収益性:リターンとリスクが少ない
安全資産は、総じて収益性が低いです。
インターネットやSNSには、
「1カ月で〇万円利益が出ました!」
「1年で〇万円利確しました!」
というような情報も多くありますが、このような方たちはほぼ全員「リスク資産」に投資しています。
安全資産はリスクこそ低いものの、リターンが少なく、収益性には長けていないため、短期間で大きな利益を上げるのは難しいです。
代表的な安全資産とそのリスク
世の中には、安全資産と呼ばれるものがたくさんあります。
ただ、そんな安全資産もリスクが一切ないというわけではありません。
以下、代表的な安全資産の種類と、それぞれの資産が持つリスクについて詳しく見ていきましょう。
現金
基本的なことではありますが、現金は元本が保証されている資産です。
100円は明日になっても100円ですし、1万円は明日になっても1万円です。
また、自らの意思で現金を使わない限り減ることはありません。
ただし、現金は盗難リスクや災害リスクなどがあるため、銀行に預けるなどの対策が必要です。
さらに、現金はインフレ(物価が上がり、現金の価値が下がること)に弱いという特徴があり、過去に500円で買えたものが、700円出さないと買えなくなってしまったという事態に陥ってしまうケースもあります。
このようなこともあり、インフレが続いている昨今では「投資」への関心が高まっているのです。
金
金はリスク資産と見なされることもあるのですが、性質を見ると安全資産であることがわかります。
金の価格は日々変動しており、場合によっては損失を出してしまうケースもあります。
しかし、金の埋蔵量には限りがあるため、価値が0円になることはありません。
「有事の金」という言葉があるように、金は守りの資産として活用されるケースが多いため、投資初心者にも向いているといえるのです。
定期預金
定期預金は、金融機関に一定期間お金を預け、満期になったら元金と利息を受け取れるシステムのことです。
元本保証があり、通常の預金よりも利率が高いため、非常に安全な資産といえます。
ただし、マイナス金利が続いている昨今においては、利息が雀の涙になっており、
「長期間預けたのに、ほとんど資産が増えていない・・・」
という状況に陥ってしまうケースもありますので注意が必要です。
国債
国債とは、国が発行している債権のことであり、投資家から資金を募って公共事業の資金などに充てています。
あらかじめ運用年数と利率が決められており、元本も保証されているため安全性は非常に高いです。
また、預貯金に比べると利率が高く、国が破綻するリスクなども非常に低いことから、初めて投資を行う方にもピッタリの金融商品といえるでしょう。
社債
社債は意見が分かれる資産であり、リスク資産に分類されることもあれば、安全資産に分類されることもあります。
というのも、社債は会社が資金調達のために発行している債権のことであり、国債と同じように利率があらかじめ設定されています。
将来の収益がある程度把握できるという意味では安全性が高いのですが、会社の倒産リスクがあるため、その他の安全資産に比べるとリスクが高いです。
万が一会社が倒産した場合、金利はおろか元本すら返ってこない可能性もありますので注意しましょう。
貯蓄型保険
貯蓄型保険も、安全資産に分類されます。
なぜなら、元本が保証されており、受け取るときに資産が増えている可能性があるからです。
また、有事の際は掛け金が満額でなくとも保証を受けられるため、一石二鳥といえます。
ただし、途中解約すると元本割れするリスクが高くなりますので注意しましょう。
安全資産のリスクを下げる方法
では次に、安全資産のリスクを下げる方法について詳しく解説していきます。
資産を分散する
今紹介したように、安全資産にも少なからずリスクがあります。
これらのリスクを下げるためには、資産を分散することが大切です。
1つの資産にまとめて投資してしまうと、何らかのトラブルが起こった際に元本割れしたり、損失が大きくなったりしてしまいます。
資産を分散しておけば、一方の損失を、もう一方の利益でカバーできる可能性が高くなるため、より安心して資産運用を行えるようになるのです。
時間を分散する
資産運用におけるリスクを下げる手法の1つに「ドルコスト平均法」というのがあります。
これは、時間を分散して資産を購入していくという手法であり、購入平均単価を抑えやすくなります。
この手法は、特に長期投資において効果を発揮するため、ぜひ覚えておいてください。
長期保有する
資産運用のリスクを下げるためには、時間を味方につける必要があります。
長期保有することによって、複利による効果を得やすくなるため、元本が少なくてもある程度のリターンを得られる可能性が高くなるのです。
短期的な相場の上げ下げに一喜一憂してしまっている方もいますが、このスタイルだとメンタルが持ちませんので、長期視点を持ちながらコツコツ運用していきましょう。
まとめ
インフレが続いている昨今では、投資への注目や関心が高まっています。
とはいえ、投資には少なからずリスクがありますので、中々踏み出せていない方も多くいるはずです。
そのような方は、金融商品の中でも比較的リスクが小さい「安全資産」への投資を検討してみてください。
今回紹介した資産は、リターンこそ少ないですが、その分リスクも抑えられますので、初心者でも安心して挑戦できます。
ただし、安全資産にも少なからずリスクはありますので、正しい知識を身につけたうえで挑戦しましょう。
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