2か国間の通貨を売ったり買ったりして利益を出すFXは、レバレッジをかけるのが一般的です。
ただ、レバレッジはあくまでもトレーダーに与えられた権利の1つであり、絶対にレバレッジをかけなければならないということではありません。
この記事を見ている方の中には、レバレッジをかけずに取引を行いたいと考えている方がたくさんいるでしょう。
そこで今回は、レバレッジなしでFXに挑戦するメリット、デメリットについて詳しく見ていきましょう。
FXはレバレッジなしでも取引できるの?
レバレッジとは、少ない元手で大きな取引を行える魅力的なシステムのことです。
冒頭でも解説したように、レバレッジはトレーダーに与えられた権利の1つであり、レバレッジをかけなくても問題なく取引ができます。
あえてレバレッジをかけずに取引することによって、FXのリスクを軽減しやすくなるため、より気軽に、そしてより効率的に資産を増やせる可能性が高くなります。
FXをレバレッジなしで取引するメリット
では次に、FXをレバレッジなしで取引するメリットについて詳しく見ていきましょう。
強制ロスカットのリスクがない
FXで最も怖いのが、強制ロスカットです。
これは、証拠金に対して一定比率の損失が発生した際に、強制的にポジションが決済される仕組みのことを指します。
強制ロスカットが発生すると、その時の負債がそのまま確定してしまうため、場合によっては追証が発生するケースもあります。
強制ロスカットは、レバレッジが高ければ高いほど発生しやすくなりますが、レバレッジなしの場合はほとんど発生しないため、安心して取引を行えるのです。
価格変動による損失幅を抑えられる
レバレッジ10倍で取引した場合と、レバレッジなしで取引した場合では、損失幅に10倍もの違いが出てきます。
もちろん、利益幅にも10倍の違いが出るのですが、大きな利益を狙いやすい反面、大きな損失を出してしまう可能性があるため、初心者にとってはリスクが大きすぎるといえるでしょう。
レバレッジなしで取引を行うことによって、利益も少なくなりますが、その分損失幅も小さくなるため、安心して挑戦できるようになります。
長期保有によるリターンを得やすい
FXは、売買益を狙う方法以外に、スワップポイントによる利益を狙う方法があります。
スワップポイントとは、通貨ペアの金利差のことを指し、低金利通貨と高金利通貨を取引することによって、毎日利息を受け取れるようになるのです。
レバレッジなしで取引を行う場合、損失額を抑えやすくなるため、必然的にポジションの長期保有が行いやすくなります。
これにより、スワップポイントを狙った取引を成功させやすくなるのです。
損切りがしやすい
レバレッジなしで取引を行う場合、損失額を抑えられるため、比較的損切りがしやすくなります。
例えば、1万円の含み損が出ている場合と、10万円の含み損が出ている場合では、圧倒的に前者の方が損切りがしやすいです。
10万円の含み損が出てしまっている場合、
「もう少し待てば戻るかも・・・」
という淡い期待が頭をよぎってしまうため、ずるずるポジションを持ち続け、結果として強制ロスカットされる可能性が高くなるのです。
正常なメンタルを維持できる
FXで利益を上げるためには、知識やテクニックだけでなく、メンタルがとても重要になってきます。
身の丈に合っていないレバレッジをかけて取引を行った場合、正常なメンタルを維持できなくなり、ギャンブルトレードになってしまうケースもあります。
一方、レバレッジなしの場合は自分の身の丈に合った取引が行えるため、常に冷静な判断ができるようになるのです。
FXをレバレッジなしで取引するデメリット
では次に、FXをレバレッジなしで取引するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
大きく稼ぐには資金が必要
FXで大きな利益を手にするためには、ある程度まとまった証拠金が必要です。
レバレッジをかけることによって、手持ち資金以上の取引が行えるようになりますが、レバレッジなしの場合は、入金額の範囲内でしか取引が行えないため、場合によっては利益が少なくなってしまうこともあります。
短期取引には向いていない
レバレッジなしで取引する場合は、数週間から数か月の間に決済するスイングトレードや、数か月以上ポジションを保有する長期トレードというスタイルを選択するのがおすすめです。
FXには、数十秒から数分のうちに決済するスキャルピングや、数十分から1日の間に決済するデイトレードなどがあるのですが、自己資金が少ない場合には向いてない手法といえます。
というのも、レバレッジなしで取引を行う場合、資金効率が非常に悪くなり、正常なメンタルを保つことも難しくなるため、短期取引に挑戦すると「ポジポジ病」などのリスクが高くなってしまうのです。
レバレッジなしのFX取引で利益を上げるコツ
では次に、レバレッジなしのFX取引で利益を上げるコツについて詳しく見ていきましょう。
スワップポイントによる利益を狙う
レバレッジなしで取引する場合は、売買益を狙うだけでなく、スワップポイントを狙うことが大切になってきます。
スワップポイントの利益はレバレッジに左右されないため、1倍でも25倍でも同じ土俵で戦えます。
また、先ほども解説したように、レバレッジなしの場合は損失も抑えやすくなるため、ポジションを長期保有しやすくなるのです。
スワップポイントの高い通貨ペアには、
- トルコリラ/円
- 南アフリカランド/円
- メキシコペソ/円
などがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
スプレッドが狭いFX会社を選ぶ
FXで利益を上げるためには、スプレッドが狭いFX会社を選ぶことが大切です。
スプレッドとは、売値と買値の差額のことを指し、この部分が業者の利益となります。
トレーダーにとって、スプレッドは最も無駄なコストであり、常に意識しておかないとスプレッドのせいで利益が少なくなったり、損失を出してしまったりする可能性が高くなるのです。
スプレッドは、FX会社によっても大きく異なりますので、事前に複数の会社を比較しておきましょう。
損切りなしで取引を行う
未来の相場は誰にもわからないため、場合によっては含み損を出してしまうこともあります。
ここで重要になってくるのが損切りです。
損切りとは、含み損を確定させる作業のことであり、わかりやすくいえば「負けを認める作業」のことです。
ただ、レバレッジなしの場合はそもそも損失額を抑えられるため、強制ロスカットのリスクが小さくなります。
このようなことから、あえて損切りをせずにポジションを保有し続けるというのも1つの方法といえるのです。
複利運用を意識する
FXで利益を上げるためには、まとまった資金が必要になってきます。
ただ、レバレッジなしの場合はどうしても証拠金が少なくなりがちであり、大きな取引ができないケースがほとんどです。
このような場合は、複利運用を意識しましょう。
取引で得た利益を引き出すのではなく、そのまま証拠金に追加して運用することにより、雪だるま式に証拠金を膨らませられるようになります。
この流れを繰り返すことにより、いずれはレバレッジなしでも大きな取引ができるようになるため、一度の取引で得られる利益も増えていくのです。
レバレッジなしのFX取引におすすめのFX会社
では次に、レバレッジなしのFX取引におすすめのFX会社をいくつか紹介していきます。
外為どっとコム
外為どっとコムは、スプレッドが狭いことで有名なFX会社です。
業界最多クラスの30通貨ペアに対応していることもあり、柔軟に取引をしていきたい方にも最適といえます。
また、1,000通貨からの取引が可能となっているため、少額から始めたい方にもピッタリです。
さらに、マーケットの情報を24時間配信しており、常に最新の情報が送られてくるため、様々な情報をもとに投資判断を行えるようになります。
SBI FXトレード
SBI FXトレードは、ネット証券の最大手であるSBIグループが運営しているFXサービスです。
最低取引単位が1,000通貨、1万通貨となっている会社が多いのに対し、SBI FXトレードは「1通貨」から取引ができるため、初心者にも最適といえます。
また、スプレッドも非常に狭く、業界最狭水準となっているため、無駄なコストをとことん削減したい方にもおすすめです。
MATSUI FX
MATSUI FXは、1918年に創業した松井証券が運営しているFXサービスです。
1通貨からの取引が可能となっているため、レバレッジなしでの取引にピッタリといえます。
また、スプレッドも非常に狭く、尚且つ多くの通貨ペアに対応しているため、効率的かつお得に取引を行いたい方にも最適です。
LINE FX
LINE FXは、気軽にFXを始めたい方におすすめのサービスです。
LINEと連携させることによって、経済指標を逐一通知してくれます。
また、レートについてもLINEで配信されるため、機会損失を防ぎたいと考えている方にもピッタリです。
1,000通貨からの少額取引にも対応していますので、気になる方はぜひ試してみてください。
まとめ
FXでは、レバレッジをかけて取引をするのが一般的ですが、これはあくまでもトレーダーに与えられた権利の1つであり、絶対にレバレッジをかけなければならないというわけではありません。
どのFX会社でもレバレッジなし(1倍)での取引が可能であり、あえてレバレッジをかけないことによって、様々なメリットを得られます。
FXは決して簡単な投資ではなく、初心者は損失を出してしまう可能性が非常に高いため、最初はレバレッジなしで取引しつつ、知識や技術レベルを高めていくのがおすすめです。
ただし、レバレッジをかけないことによるデメリットやリスクも存在しているため、これらについても頭に入れておく必要があります。
レバレッジなしでコツコツ利益を積み上げていきたいという方は、今回紹介したことを参考にしながら、慎重に取引を行っていきましょう。
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